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8機種使ったジョージが明かす!FREETELが赤字になった理由とは

ジョージ

34~45才のガジェット好きに向けて、主に格安スマホを考察して発信。現在のキャリアは楽天UN-LIMIT。楽天経済圏で生活しているので、スマホをお得に購入する方法も呟きます。ガジェットで生活を豊かに。

 

9月27日の朝、Yahoo!のトップニュースで、昔は見慣れてたはずの企業がピックアップされていた。

「ニクキュー(299円)」

というキャッチーなフレーズと、タレントの佐々木希さんを起用したCMで大きく知名度を上げたFREETEL(フリーテル)。

そんな伸びしろがありそうな企業がなぜ赤字に陥ったのだろうか。

 

今日は、共に歩んできたFREETELにお別れを告げるために記事を書きました。

批判的な動画を今まであげてきた僕だからこそ感じる、FREETELの失敗を解説します。

 

 

 

FREETELはパイオニア

今でこそ「格安スマホ」や「格安SIM」という言葉は認知されてますが、2015年にはほとんど知名度はありませんでした。

ドコモやソフトバンクなどの大手キャリアでしかスマホを契約する選択肢がなかった鎖国時代。

海外では当たり前の「SIMフリー」を国が主導で解禁し、日本にもようやく開国の時代がやってきたのでした。

 

格安スマホが解禁と同時にFREETELは「安価」なSIMフリースマホを販売し始めました。

日本でスタートダッシュを成功させたASUS(エイスース)や、その後ろにHUAWEI(ファーウェイ)がいて、日本はというと、SONYや富士通などは大手キャリアとの関係性もあってか、SIMフリーには消極的だった。

「というか、海外のSIMフリーが低価格すぎた。」

 

大手キャリアなら、ガラケー時代を含めてずっと携帯本体の価格は右肩上がりだったのに、海外からやってきた黒船はスマホを3万円台前半で販売してくる。

SIMフリーのノウハウがない日本メーカーが勝てるはずもなかった。

 

しかし、FREETELは日本法人というブランディングと、中国国内で安価に作れるスマホに少し付加価値をつけて売り出しました。これから急成長するであろう日本のSIMフリー商戦に果敢に挑戦していきました。

 

Priori2(3G)とか普通に感動したもん

僕がフリーテル製品を初めて購入したのが2015年の3月に発売された「Priori2 3G」でした。

 

記事にも書きましたが、格安スマホの本質って「コスパ」だと思うんですよね。

通信品質とか、サービスとか、割引の種類とかは大手キャリアが強いし、その分価格も高かったわけです。

例えるなら、旅行に行こうとしてホテル予約をしますが、サービスも良くて立地も良い5つ星ホテルを選ぶのか、サービスや立地もほどほどで何より価格重視で3つ星を選ぶのかに似ています。

要は、自分が毎月の通信費が高いと感じているのであれば「コスパの良いスマホ」に乗り換える需要を満たしています。

FREETELのPriori2は本体価格が1万円弱で、Amazonなどの通販サイトで普通に販売されています。そして、プロバイダのNifMo(ニフモ)も月に3GBのデータ通信で1,728円(税込)とかなりリーズナブルです。

 

機種を入れ替えても月額2,000円程度の通信費に収まるような時代が幕開けた2015年に、FREETELは次々に新製品を送り出していきました。

 

 

FREETELが衰退していったワケ

今までYoutubeチャンネルでもたくさんのFREETEL製品を紹介してきました。

下記のリストは今まで所有したFREETEL製品一覧です。

  1. Priori2 3G
  2. SAMURAI MIYABI
  3. Priori3
  4. Priori3 LTE
  5. MUSASHI
  6. SAMURAI KIWAMI
  7. SAMURAI REI
  8. RAIJIN

2年間でFREETEL製品を8機種も使ってきましたが、4番目のSAMURAI KIWAMIあたりでFREETELのピークが終わります。

原因は、ASUSやHUAWEIのスピード感に少しずつFREETELは遅れていきました。

 

自社開発機能を持たないメーカーの苦しみ

どうしても、FREETEL製品は中国製のスマホをベースにしているため、日本での販売価格を抑えようと思うと、最低限の「付加価値」しか付けることができません。

最低限の付加価値とは、日本で販売するために必要な「技適」の申請、そして広告宣伝費や売買に関わる経費など、元を1万円で仕入れても経費を乗せると割安感がどんどん薄れてしまうもの。

 

[voice icon="https://georgelog.com/wp-content/uploads/2017/08/cropped-cover.png" name="ジョージ" type="l"]FREETEL製品 = ダサい[/voice]

 

安くていいんだけど、デザイン性はゼロに近いし、細かな不具合も多いので注意が必要だった。

 

[voice icon="https://georgelog.com/wp-content/uploads/2017/08/cropped-cover.png" name="ジョージ" type="l"]それって、中国製品買うのと変わらなくない?[/voice]

 

徐々に不穏な空気が漂ってきました。

 

デザインもオリジナル「SAMURAI」シリーズを発表

不穏な状況を打ち壊すべく、FREETELは「SAMURAIシリーズ」をフラッグシップとして打ち出しました。

SAMURAI MIYABIは外観にもこだわって、スペックも当時の主流にだったので、SIMフリー市場の上昇気流に上手く乗れた感じでした。

まだまだASUSの外観も荒かったし、HUAWEIは外観もスペックもまとまっていたけど、中国のイメージが悪かったので少しブレーキがかかってましたし、SAMURAIシリーズに対して僕の期待感もかなり高かったのです。

 

デザインよりも価格を重視した「Priori」シリーズと、外観やスペックにもこだわった「SAMURAI」シリーズで舵をとったFREETELは、同社史上で最高クラスのスペックをもつ「SAMURAI KIWAMI」を発売しました。

 

 

「あきらかな経験・技術力不足だった」

SAMURAI KIWAMI(以下、極)は、当時のSIMフリー市場では間違いなくハイスペック機で、メモリやCPUもさることながら、カメラ性能やディスプレイ性能も魅力的でした。

3GBのメモリに6インチのディスプレイ、そして2100万画素のソニー製カメラセンサーを搭載した極は、本体販売価格も39,800円(税抜)と当時にしてはかなり「コスパ」にも優れたスマホでした。

 

実際に使ってみて思ったのが、動作はサクサク動いてたし、カメラも色味やAF速度や精度、そして6インチのディスプレイで見るYoutubeなど、結構楽しめてました。

でも、細かいところでは「アクセサリーの少なさ」や「充電がすぐに行われない」、「Googleフォトでの動画再生時に音声がずれる」などなど、使っていくにつれて気づくようなデメリットが多く出てきました。

これは、根本的な部分で言うと「委託生産」だから起こることなのです。

 

自社で研究・開発をしていれば検証作業もしっかり行って、製品が流通するまでにクオリティを高められますが、FREETELのように委託生産をしていれば、単純にFREETELの注文に中国のスマホメーカーが作ったにすぎません。

なので、細かな検証もFREETEL側ではできないし、何か問題が発生しても同じく何もできずに、中国メーカーに依頼するしかありません。

その他、発熱・ボディの歪み・ナビゲーションバーが効かない・フリーズするなど、本体の物理的な不具合はバージョンアップではどうしようもありません。

 

極には大きな期待がかかっていたことが仇となり、不具合の多さや対応の悪さがFREETEL製品に不信感を招きました。

 

【決定打】すぐ値下げでブチ切れ

問題となったのが、2016年の5月に発売したSAMURAI麗(以下、麗)でした。

この麗はカラーバリエーションが5色あって、発売時期もカラーごとに異なっていました。

 

シルバーが先行で発売し、ブラックは最後に発売するという形だったのですが、まだすべてのカラーが発売されていないのにも関わらず、「4,000円の値引き」を決行したのでした。

 

[voice icon="https://georgelog.com/wp-content/uploads/2017/08/cropped-cover.png" name="ジョージ" type="l"]ふざけんな!発売日にシルバー買った俺はどうなるんだ![/voice]

 

当時、Youtubeのコメントにもそういった声をもらってましたが、僕も同感でした。結局は、発売して5ヶ月ほどで発売当初の価格より1万円も値引きされていました。

 

不信感が高まる中で、消費者をバカにしたかのような値引き、そして麗自体にも不具合が多発していました。

そういう経緯もあって、冒頭にリンクしてますが「SAMURAI麗は買うべきではない。が結論」という動画を上げることにしました。

 

 

それでも期待したい今後のベンチャー

FREETELはなるべくしてなりました。ぼくはそう思います。

 

でも、批判がしたかったわけでもないし、FREETELが嫌いだったわけでもありません。

だって、身銭をはたいて8機種も実際に買いましたし、それは使ってみないとわからないと思ったから。

 

余談ですが、僕のレビューには「生の声」が反映されているのです。

「生の声」というのは、僕が実際に周囲の友人・知人にスマホを勧めて、そこからフィードバックされた意見を動画に反映しているということです。

 

年間15台以上もスマホを持つ僕みたいな知人がいれば、みんな機種変をするときに僕へ相談にきます。

だから、その時点で自分が思う一番オススメな機種を紹介するのですが、その希望通りにスマホは知人を満足させてくれないものです。

「フリーズよくする」とか「充電が98%までしかしない」など、僕にはどうしようもできない相談をよく受けます。

僕はスマホが好きだし、人よりは詳しいから、知人がそのスマホで日々を楽しんでくれることが自分の楽しさにも繋がっています。

「だから、不具合がでたときは誰よりも悔しい。」

 

動画では自分の友人・知人に勧めるつもりでいつも制作しています。だから、デメリットも伝えなきゃいけないと思うのです。

 

話を戻しますが、まだまだAppleのシェアは日本では圧倒的ですが、そこを打ち砕くようなベンチャー企業がもちろん日本からたくさん出てきてほしいと思います。

そんなベンチャーから発売されたスマホをレビューできる日を待ちながら、今後も楽天モバイルに買収されたFREETELがどのような展開をするのか注目していきます。

 

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